被害が階下にまで及ぶ集合住宅での水漏れ
不注意などで水漏れが生じると、自室はもちろん、下の居住者にまで多大な被害を及ぼすことになりかねません。注意すべき点と、万が一、水漏れを発生させてしまった場合の対処についてご紹介します。
集合住宅での水漏れについて
マンションなどでの水漏れの原因は、玄関やトイレの床を水浸しにした場合、洗濯機の排水ホースが外れていた場合、バルコニーや廊下を水浸しにした場合などが一般的に多いようです。
マンションなど集合住宅では、床に防水加工が施されているのは浴室のみです。玄関踏込、廊下、洗面化粧台、トイレ、居室、バルコニーなどの床は防水性がないため、水などをこぼした場合は、階下の住宅に水が漏れて天井や壁のクロス、畳、カーペット、家具などに被害を及ぼすことがあります。
ほとんどのマンションは、管理組合で個人賠償責任保険をかけているため、階下への水漏れ被害は賠償されます。その点では過度の心配は不要ですが、加害住戸の被害はこの保険では対応できません。水漏れが発生した場合は、速やかに管理会社などへの連絡をするようにしましょう。
水漏れの対策について
集合住宅における水漏れ対策としては、玄関、トイレ、洗面台の床などに水などがこぼれた際は、すぐにしっかりと拭き取るようにしてください。また特にトイレでは、紙おむつ、新聞紙、ティッシュペーパー、衛生用品などを無理に流すことは詰まり原因となります。決してこれらを流すことのないようにしましょう。
洗濯機の給排水については、給水ホースと水栓の接続部分をしっかり固定するように、洗濯機排水ホースが防水パンの外に飛び出さないよう固定してください。また、排水溝にゴミが溜まると、排水の妨げになりますので、定期的な掃除も必要です。
バルコニーなどの掃除の際は、植木鉢への散水には充分注意が必要でしょう。また、雨水排水の目皿も洗濯機の排水溝と同様、月に1回くらい掃除するようにしましょう。
集合住宅の水漏れは、建物の不具合が原因のことも
ある調査によると、「建物の不具合に係るトラブル」の発生状況は、「水漏れ」が22.0%と最も多く、次いで「雨漏り」が14.4%という結果でした。
経年とともに水にまつわるトラブルが生じる確率は高くなります。集合住宅での、住人の過失以外による水漏れについて、その原因や対処などについてまとめました。
集合住宅での水漏れの原因について
マンションやアパートなどの集合住宅で水漏れがあった場合、建物の給排水管の腐食や劣化など、設備そのものに原因があることもよくあります。
築年数が古い物件では、排水管のつなぎ目が劣化し、そこから水漏れが発生することは非常に多いケースです。マンションの給排水管は、床下や天井裏など、外側からは見えない場所に張り巡らされており、気付かない間に水漏れが進行している場合が多々あります。
あるいは、建物の防水工事が耐用年数を超え、雨漏りが発生するケースもあります。年数が経つにつれ、外壁のヒビやタイルのずれなど小さな隙間から水が浸み込み、だんだんと雨漏りが目立つようになります。
水漏れの際の対処法について
水漏れに気付いたときは、何が原因かを特定することが重要です。可能な範囲で水漏れを防いだらすぐに、管理会社などに連絡しましょう。家主は、水漏れがあればすぐに修理する義務があります。一方で借り主にも、水漏れに気付いたら家主に報告する必要があります。
また、家主はオーナー向け火災保険へ加入しておくのが得策でしょう。入居者の火災保険でカバーされるのは、借り主に過失があった場合に限られます。一方で、家主だけが火災保険に入っている場合は、建物の被害は補償されても入居者の家財道具は補償されません。家主は借り主に対し、『借家人賠償付火災保険に加入・継続すること』を契約時の要件に入れるようにしましょう。
老朽化した集合住宅では、水漏れトラブルは付きもの…
一般的に築30年を経過したあたりから、経年劣化による劣化や破損が多数発生し、トラブルに見舞われることが多くなります。とりわけ、水漏れについては目に見える部分・見えない部分含め、大幅な修繕によってでしか対応できないケースも出てきます。ここでは、いくつかの例をご紹介します。
老朽化したアパートでの水漏れについて
アパートやマンションは築年数が経過するにつれ、様々なトラブルが発生します。その代表格が、水漏れでしょう。中でも多いのは、屋根からの雨漏り、配管・室内の防水(特に浴室)からの水漏れが挙げられます。
築30年を超えるとある2階建てアパートでは、1階の入居者から、天井からの水漏れの苦情が繰り返し出ていたそうです。その都度、修理をしても再発を繰り返す…。詳細に調査すると、2階の浴室の防水に亀裂が入り、そこから水が浸入していたのが原因でした。
老朽化したアパートでの水漏れの原因について
最近の浴室のほとんどはユニットバスのため、配管が外れたりしない限り水漏れの可能性は極めて低いのですが、昔ながらの防水モルタルとタイル張りの浴室においては、経年劣化で防水層に亀裂が入り、ついには階下へ水漏れしてしまったようです。
このように、古い仕様の浴室については、全体に渡り防水のやり直しが必要となります。さらに、漏水が発生してから時間が経っていた場合には、鉄骨製の梁が錆びたり木製部分が腐敗している可能性もあるため、建物の躯体部分の修繕・工事なども必要となるケースも多々あります。
その他、古築アパートでの水漏れについて
築年数を重ねれば重ねるほど、上記のようなトラブル以外にも、様々な箇所から水漏れが発生する可能性があります。
たとえば、サッシまわりのコーキング切れが原因による窓周辺からの雨漏り、木造の屋根全体の防水加工劣化による雨漏り、瓦屋根の下地の腐食による雨漏りなど、経年劣化に加え、古い工法や資材を用いていることにより、近年の集合住宅とは異なる問題も抱えています。
築浅物件以上に、定期的な調査やメンテナンスが大切なのです。
雨どいの詰まりや水漏れの修理について
戸建ての周りに張り巡らされている「雨どい」。普段は気にすることはありませんが、実は家を守るたいへん重要な役割を果たしています。老朽化したり破損したりした箇所をそのままにしておくと外壁や土台が腐る原因にもなります。簡単な修理方法をご紹介しましょう。
雨どいのパーツと点検ポイント
屋根の雨水を集め、排水する役割を担っているのが雨どいです。地面と平行に走っているのが「軒どい」、地面と垂直に走っているのが「竪(たて)どい」です。そして、軒どいの水を集めて竪どいに送っているのが「集水器」と呼ばれる、漏斗のような形の部分です。
雨どいは、長年放っておくと枯れ葉やゴミ、泥などが少しずつ溜まって詰まることがあります。そのままにしておくと、雨漏りや木部の腐敗の原因にもなりますので、以下のポイントについて定期的にチェックすることをおすすめします。
- ○横どいを支えている受け金具は、きちんと固定されているか
- ○といが異常な曲がり方をしていないか
- ○集水器に落ち葉やボールなど、流れを妨げる異物が詰まっていないか
- ○継ぎ目が割れたり外れたりしていないか
- ○地面に、といから漏れた雨だれの跡ができていないか
雨どいのDIY修理方法
雨どいに破損や詰まりを見つけた場合、自分でできる掃除や修理についてご紹介します。
-
○ゴミや異物が詰まっている場合
まずはバケツなどに水を汲み、集水器から流してみます。速やかに流れない場合は、集水 器から針金を通して、たてどいの下に出します。その針金に布を結びつけて針金ごと上下させ、といの中を掃除してみてください。
針金が通らないほどの詰まりの場合は、といの壁側の上部を金切りノコなどで切断し、ゴミを掻き出した後に、切断部分を接着して直しておきましょう。 -
○接続部分がゆるんでいる場合
接続部分をいったん外して接着剤を塗り、再びはめ直します。塩ビの雨どいの場合は、市販の雨どい用接着剤を使うとよいでしょう。 -
○ひび割れや穴がある場合
周囲の汚れを落としてからアルミの雨どい補修テープを貼って補修します。 -
○一部が破損した場合
軒どいや竪どいの一部が壊れた場合、塩ビ製ならば市販の部品があるので、それと交換ができます。最初に傷んでいる部分を取り外し、金切りノコで壊れている箇所を切り取ります。その後、新しいといを適切な長さに切り、古いといと接続します。軒どいはパッチン継ぎ手を使用しますが、竪どいの場合はといつなぎを使用します。いずれの場合も、雨どい用接着剤でしっかりと接着するようにしてください。
その他、古築アパートでの水漏れについて
築年数を重ねれば重ねるほど、上記のようなトラブル以外にも、様々な箇所から水漏れが発生する可能性があります。
たとえば、サッシまわりのコーキング切れが原因による窓周辺からの雨漏り、木造の屋根全体の防水加工劣化による雨漏り、瓦屋根の下地の腐食による雨漏りなど、経年劣化に加え、古い工法や資材を用いていることにより、近年の集合住宅とは異なる問題も抱えています。
築浅物件以上に、定期的な調査やメンテナンスが大切なのです。
集合住宅の水漏れは、発生箇所も原因も多種多様
水漏れや雨漏りは、戸建て住宅に限ったトラブルではありません。居住者も多く、共有部分もあるため、修繕の検討も決定も自己の都合だけで進められません。場合によっては、賠償問題などにも発展することもあり、戸建ての場合より解決が困難なケースもあります。
マンションでの水漏れについて
マンションで水漏れが起きた場合、必ずしも上の住居が原因の場合ばかりではなく、離れた位置の部屋の浸水が原因という場合もあります。あるいは、居室ではなく壁の中で水が吹き出している…という可能性もあります。
また当然、被害を被る側だけでなく、知らない間に原因や加害側になっていることもあります。ある日突然、苦情と弁償の請求がやってくる可能性がないとは、だれにも断言できません。
また、こうしたトラブルは、新築・中古を問わず発生する可能性はあるとはいえ、概ね築30年を超えるマンションで発生する割合が高くなっています。なぜなら、当時の使用素材は現在に比べて水準が低く、たとえば給水管には亜鉛メッキ鋼管などが採用されており、最近のマンションに多い塩ビライニング鋼管に比べ腐食しやすいのです。さらに、配管がコンクリートに埋め込まれていたり、メンテナンスを考慮した設計となっていない建物が多く、被害が拡大しやすく原因を発見しづらい…というのが一般的です。
いずれにせよ、マンション・アパートでの水漏れは、原因特定が困難なだけでなく、一戸建ての場合に比べて面倒な話に発展しやすく解決が複雑なケースが多いようです。
私たち「住まいる水道サポート」では、こうしたマンションでの水漏れ・雨漏りの調査・修繕などについても豊富な実績を有しています。あらゆる側面から原因を調査・追求し、迅速な対応を行ないます。また、こうしたトラブルを未然に防ぐための点検やメンテナンス契約も歓迎します。
マンションでの漏水。原因によって対処は様々
戸建ての場合とは異なり、水漏れがどこで、どんな原因で起きているかにより、その責任の拠り所が変わってきます。まずは、原因を特定することが最重要課題になります。
マンションでの水漏れの原因について
水漏れや浸水が、一体どこかで起きているかを特定するのが対処の第一歩です。
とはいえ、たとえばある部屋の天井部分で染みが見つかったとしても、原因は実は直上の部屋ではなく、その隣りの部屋だったいうことも多々あり、発生箇所の特定は想像以上に困難です。しかも、水漏れは音や臭いをともなわないことがほとんどなので、発生側の居住者本人には自覚がないこともあります。水漏れ現場確認のため上階などへ訪問が必要な際も、不要な人間関係のトラブルを招かないためにも、できる限り管理会社スタッフなどに依頼するようにしましょう。
共有部分/占有部分での水漏れについて
マンションに張り巡らされている配管は、共用部の水道管や排水管、屋根からの雨水樋など様々です。これらが漏水を起こし、どこか一室にのみ漏水被害を及ぼすこともあります。
たとえば、雨樋が落ち葉などで詰まって、行き場を失った雨水が最上階の部屋に侵入したというケースも過去にあります。
大概のマンションでは、修繕費積立や管理費などにより修繕が行なわれます。
また、ある住居の床下を共用配管が走っている設計のマンションにおいて、この配管が漏水の原因となっている場合、上の住民に自覚はない一方、場所を特定するにも修理するにも上の階の住人の協力が必要になります。さらには、こうした部分はその床の上の住居に属するとして、上の住人に賠償責任が生ずるケースもあれば、共用部分として解釈されるケースもあり、管理会社との規約や取り決め、話し合いによって、その都度異なるようです。
マンションでの漏水。修繕以上に責任・賠償問題が厄介…
集合住宅で水漏れなどの損害が発生した場合は、その責任を誰がどう負うのかというのが問題になります。そうしたトラブルを回避するためにも、保険の活用をおすすめします。
マンションの水漏れでの費用・責任について
水漏れに限らず、マンションなどの集合住宅において、火災・物損・水漏れなどあらゆる損害はそれを発生させた人が賠償責任を負うというのが原則です。個人対個人の場合はもちろん、個人対管理組合、管理組合対個人という場合においても同様に扱われます。
たとえば、ある住居の台所で水漏れが起き、階下の部屋の天井に水シミができてしまった場合は、前者が後者の損害に関して賠償を行う必要があります。あるいは、ある住居の外置き洗濯機から水漏れが起きて同フロアの廊下全体が水浸しになってしまった場合は、その住居の住民が自分の責任と費用で対処する必要があります。さらに、共用部分の壁内配管が破裂して、いくつかの部屋に浸水被害が及んでしまった場合、管理組合がそれら全部屋の修繕費用を支払うことになります。
また、集合住宅における水漏れは、原因箇所の特定に費用も手間もかかるのが特徴です。これらの調査段階にかかった費用も賠償責任の中に含まれているのが一般的です。規模にもよりますが、最終的にかなりの金額になるケースも多く、「個人賠償責任保険」などへの加入も検討しておくことをおすすめします。
水漏れの際の賠償保険について
マンションでの水漏れは静かに進行していることも多く、実際に被害が出るまで気が付きにくく、気づいたときには周辺住民にも大きな損害が及んでしまっている可能性もあります。
トラブルを起こした側の住民には当然、弁償などの責任が発生しますが、当事者に代わって支払いをしてくれる保険も存在します。個人向けの「個人賠償責任保険」と管理組合向けの「施設賠償責任保険」がこれに当たります。基本的には、火災保険や傷害保険、自動車保険などの特約として契約することになります。特約でも、本体の保険と保険内容は直接関係なく、自動車保険特約となっている場合でも、マンション水漏れなどを含む様々な「賠償」に対応することができます。こうした保険に加入していることを認識していないことも多いようですが、万が一のときのために、確認しておくとよいでしょう。
水漏れ対策料金表
サービス内容 | 作業料金 |
---|---|
漏水調査 | ¥4,000 |
配管漏水修理 | ¥7,000 |